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転入超過は7都府県だけ。東京一極集中は縮小したのか、2025年の人口移動を読む

・ 約4分で読めます ・ 文責: 数字で読む編集部

2025年の1年間に都道府県をまたいで引っ越した人は251万5,731人で、3年連続の減少でした。 そのなかで、転入が転出を上回った(転入超過の)都道府県はわずか7都府県です(総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年結果」、公表日2026-02-03)。

一方で見出しの読み方には注意が要ります。 東京都の転入超過は前年から1万4千人縮小しましたが、東京圏(1都3県)は30年連続の転入超過を続けています。 この記事では、どこからどこへ、誰が動いているのかを整理します。

目次
  1. 転入超過は7都府県、転出超過の最大は広島
  2. 東京の縮小と東京圏の継続は矛盾しない
  3. 動いているのは誰か: 20〜24歳と女性
  4. この統計を読むときの注意
  5. まとめ

転入超過は7都府県、転出超過の最大は広島

2025年の転入超過数です(移動者=日本人+外国人、▲は転出超過)。

転入超過の7都府県人数前年差
東京都65,219人▲14,066人
神奈川県28,052人+1,089人
埼玉県22,427人+691人
大阪府15,667人▲1,181人
千葉県7,836人▲23人
福岡県5,136人+976人
滋賀県353人+673人

顔ぶれの変化が2つありました。 滋賀県が転出超過から転入超過へ転換し、逆に山梨県が転入超過から転出超過(▲862人)へ転換しています。

転出超過側の上位は、広島▲9,921人、福島▲7,197人、静岡▲6,711人、新潟▲6,379人です。 転出超過が最も拡大したのは宮崎(前年差▲1,960人)、最も改善したのは兵庫(同+5,185人)でした。

日本人だけで見ると顔ぶれが1つ変わり、愛知県が6年ぶりの転入超過(+1,806人)になります。 総数で愛知が転出超過(▲2,181人)なのは、外国人の転出超過が押し下げているためで、同じ県でも集計範囲で符号が変わる例です。

東京の縮小と東京圏の継続は矛盾しない

東京都の転入超過6万5,219人は、前年(7万9,285人)から大きく縮小しました。 しかし神奈川・埼玉は拡大しており、東京圏全体では12万3,534人の転入超過です。

東京圏の推移を見ると、位置づけがはっきりします(総務省統計局・同報告)。

2015201920202021202320242025
東京圏の転入超過(総数)12.8万人14.9万人9.9万人8.2万人12.7万人13.6万人12.3万人

コロナ期(2020~2021年)に8万人台まで縮んだ後、2023~24年に回復し、2025年は再びやや縮小した形です。 日本人ベースでは1996年以降30年連続の転入超過で、4年連続で「東京圏以外の全43道府県すべてに対して転入超過」という状態が続いています。 東京都単体の縮小をもって一極集中の反転と読むことはできません。都心から周辺3県への広がりを含めて、東京圏への集中は続いています。

なお3大都市圏の残り2つは対照的で、大阪圏は+8,742人と転入超過を拡大、名古屋圏は▲12,695人の転出超過です。

動いているのは誰か: 20〜24歳と女性

東京圏の日本人転入超過11万2,738人の中身には、はっきりした偏りがあります。

全国の都道府県間移動率も20~24歳が9.25%と突出しており、日本の国内移動は「若者のライフイベント」にほぼ集約されます。

市区町村レベルでは、転入超過の上位は東京都特別区部3万9,197人、横浜市1万1,298人、札幌市1万835人、大阪市9,841人、福岡市8,175人と、大都市の中心部に集中しています。

この統計を読むときの注意

  1. 住民票ベースです。住民票を移さない移動(単身赴任や一部の学生)は含まれません。
  2. 転入超過数は国内移動だけの収支です。国外との出入りは含まれません。国外分を含む「社会増減」では、東京都は+12万5,457人と、国内転入超過(6.5万人)の約2倍になります。外国人の流入を含めた人口の増減は国勢調査速報の記事で扱っています。
  3. 移動理由は分かりません。住宅価格・進学・就職などの要因は、この統計単独では特定できません。

若年層、特に女性の流出が続く県では、出生数の減少を通じて将来推計人口の地域差をさらに広げる方向に働きます。 現在の年齢構成の地域差は47都道府県の年齢構成で確認できます。

まとめ