最低賃金はいくら?47都道府県一覧と2026年度改定の目安を整理
現在適用されている地域別最低賃金は、令和7年度(2025年度)改定のもので、全国加重平均は時間額1,121円です。 最高は東京の1,226円、最低は高知・宮崎・沖縄の1,023円で、全都道府県が1,000円以上になっています(厚生労働省「令和7年度地域別最低賃金全国一覧」)。
次の改定に向けては、2026年7月28日に中央最低賃金審議会が2026年度(令和8年度)の引上げ額の目安を答申済みです。 目安どおりに引き上げられた場合の全国加重平均は1,176円になります(厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について」、2026-07-28)。 この記事では、現在の47都道府県一覧と、これから秋にかけて決まる改定の見通しを整理します。
最低賃金の基本ルール
地域別最低賃金は、最低賃金法に基づき産業や職種にかかわりなく、都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に適用されます。 パート、アルバイト、学生も対象です。 確認しておきたいルールは次のとおりです(厚生労働省「最低賃金制度とは」「最低賃金の種類」「派遣労働者への最低賃金の適用」)。
- 使用者は最低賃金額以上の賃金を支払う義務があり、下回った場合は差額の支払い義務が生じます。地域別最低賃金の違反には50万円以下の罰金の定めがあります。
- 特定の産業には、地域別より高い水準の特定最低賃金が設定されている場合があります(令和8年4月1日現在223件)。両方が適用される労働者には高い方の額以上を支払う必要があります。
- 派遣労働者には、派遣元ではなく派遣先の事業場に適用される最低賃金が適用されます。
47都道府県の最低賃金一覧(令和7年度改定)
現在の時間額と発効日です(厚生労働省「令和7年度地域別最低賃金全国一覧」、括弧内の改定前額から引上げ)。
| 都道府県 | 時間額 | 引上げ額 | 発効日 |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 1,075円 | 65円 | 2025年10月4日 |
| 青森 | 1,029円 | 76円 | 2025年11月21日 |
| 岩手 | 1,031円 | 79円 | 2025年12月1日 |
| 宮城 | 1,038円 | 65円 | 2025年10月4日 |
| 秋田 | 1,031円 | 80円 | 2026年3月31日 |
| 山形 | 1,032円 | 77円 | 2025年12月23日 |
| 福島 | 1,033円 | 78円 | 2026年1月1日 |
| 茨城 | 1,074円 | 69円 | 2025年10月12日 |
| 栃木 | 1,068円 | 64円 | 2025年10月1日 |
| 群馬 | 1,063円 | 78円 | 2026年3月1日 |
| 埼玉 | 1,141円 | 63円 | 2025年11月1日 |
| 千葉 | 1,140円 | 64円 | 2025年10月3日 |
| 東京 | 1,226円 | 63円 | 2025年10月3日 |
| 神奈川 | 1,225円 | 63円 | 2025年10月4日 |
| 新潟 | 1,050円 | 65円 | 2025年10月2日 |
| 富山 | 1,062円 | 64円 | 2025年10月12日 |
| 石川 | 1,054円 | 70円 | 2025年10月8日 |
| 福井 | 1,053円 | 69円 | 2025年10月8日 |
| 山梨 | 1,052円 | 64円 | 2025年12月1日 |
| 長野 | 1,061円 | 63円 | 2025年10月3日 |
| 岐阜 | 1,065円 | 64円 | 2025年10月18日 |
| 静岡 | 1,097円 | 63円 | 2025年11月1日 |
| 愛知 | 1,140円 | 63円 | 2025年10月18日 |
| 三重 | 1,087円 | 64円 | 2025年11月21日 |
| 滋賀 | 1,080円 | 63円 | 2025年10月5日 |
| 京都 | 1,122円 | 64円 | 2025年11月21日 |
| 大阪 | 1,177円 | 63円 | 2025年10月16日 |
| 兵庫 | 1,116円 | 64円 | 2025年10月4日 |
| 奈良 | 1,051円 | 65円 | 2025年11月16日 |
| 和歌山 | 1,045円 | 65円 | 2025年11月1日 |
| 鳥取 | 1,030円 | 73円 | 2025年10月4日 |
| 島根 | 1,033円 | 71円 | 2025年11月17日 |
| 岡山 | 1,047円 | 65円 | 2025年12月1日 |
| 広島 | 1,085円 | 65円 | 2025年11月1日 |
| 山口 | 1,043円 | 64円 | 2025年10月16日 |
| 徳島 | 1,046円 | 66円 | 2026年1月1日 |
| 香川 | 1,036円 | 66円 | 2025年10月18日 |
| 愛媛 | 1,033円 | 77円 | 2025年12月1日 |
| 高知 | 1,023円 | 71円 | 2025年12月1日 |
| 福岡 | 1,057円 | 65円 | 2025年11月16日 |
| 佐賀 | 1,030円 | 74円 | 2025年11月21日 |
| 長崎 | 1,031円 | 78円 | 2025年12月1日 |
| 熊本 | 1,034円 | 82円 | 2026年1月1日 |
| 大分 | 1,035円 | 81円 | 2026年1月1日 |
| 宮崎 | 1,023円 | 71円 | 2025年11月16日 |
| 鹿児島 | 1,026円 | 73円 | 2025年11月1日 |
| 沖縄 | 1,023円 | 71円 | 2025年12月1日 |
| 全国加重平均 | 1,121円 | 66円 | — |
令和7年度改定の特徴は3つあります。
- 引上げ幅に開きがあります。引上げ額は63円(東京・神奈川など)から82円(熊本)まで幅があり、改定前の額が低い県ほど引上げ率が高い傾向でした(熊本8.6%、大分8.5%、秋田8.4%)。
- 発効日が半年ばらけました。最も早い栃木(2025年10月1日)から最も遅い秋田(2026年3月31日)まで幅があり、福島・徳島・熊本・大分は2026年1月1日、群馬は2026年3月1日と年をまたいで発効しています。
- 地域差は203円です。最高の東京1,226円に対し、最低の1,023円は83.4%の水準です。
2026年度改定はどうなるか
2026年7月28日、中央最低賃金審議会が厚生労働大臣に2026年度の引上げ額の目安を答申しました(厚生労働省の報道発表、2026-07-28)。
- Aランク(埼玉・千葉・東京・神奈川・愛知・大阪): 54円
- Bランク(北海道・宮城など28道府県): 56円
- Cランク(青森・秋田・沖縄など13県): 56円
目安どおりに引き上げられた場合、全国加重平均は1,176円(55円増・4.9%増)になると厚生労働省は説明しています。
ただし、目安はそのまま各県の改定額になるわけではありません。 この後、各都道府県の地方最低賃金審議会が地域の賃金実態を踏まえて審議・答申し、都道府県労働局長が改定額と発効日を決定します。 令和7年度も、目安を上回る引上げを決めた県が多くありました。 2026年度の目安(54~56円)は令和7年度の実績(63~82円)より小さい水準ですが、最終的な各県の額は秋の決定を確認する必要があります。
数字を使うときの注意
- 「時給がいくら上がるか」は発効日とセットで見ます。発効日前は旧額が適用されます。今年度も発効日は県ごとに異なる見込みです。
- 最低賃金と平均賃金は別の統計です。最低賃金は法定の下限であり、実際に支払われている賃金の水準は賃金構造基本統計調査などで確認します。年齢別・雇用形態別の実勢は年齢別の平均給与や正社員と非正規の賃金格差で扱っています。
- 物価との関係は率で読みます。引上げ率6.3%という数字だけでは生活水準の変化は分かりません。物価上昇率との比較は名目賃金と実質賃金の違いの考え方が参考になります。
まとめ
- 現在の地域別最低賃金は全国加重平均1,121円で、最高は東京1,226円、最低は高知・宮崎・沖縄の1,023円です(厚生労働省「令和7年度地域別最低賃金全国一覧」)。
- 2026年度の引上げ目安は2026年7月28日に答申済みで、Aランク54円・B/Cランク56円、目安どおりなら全国加重平均1,176円です。
- 実際の改定額と発効日は、地方最低賃金審議会の審議を経て都道府県労働局長が決めるため、目安と一致するとは限りません。
- 最低賃金は産業・職種を問わずすべての労働者に適用され、派遣労働者は派遣先の額が適用されます。特定最低賃金がある産業では高い方が優先です。