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正社員と非正規の給料はどれくらい違う?年齢別の賃金格差を統計で比較

・ 約5分で読めます ・ 文責: 数字で読む編集部

正社員と非正規の給料差を統計で確認するときは、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の雇用形態別集計が使えます。 令和7年調査(2025年6月分の給与)では、一般労働者の所定内給与は男女計で正社員・正職員358.8千円、正社員・正職員以外241.7千円でした。 正社員・正職員を100とすると、正社員・正職員以外は67.4です(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」第6-1表、データ時点2025年6月)。

ただしこの差は、同じ仕事をする2人の給料差ではありません。 年齢、勤続年数、産業、職種などの構成が2つの集団で異なるため、雇用形態そのものの効果とは言い切れない点を含めて読み方を解説します。

目次
  1. 比較しているのは「一般労働者の所定内給与」
  2. 年齢別の格差は20代の約8割から50代の約55%へ開く
  3. 「非正規だから給料が低い」とは統計だけでは言えない
  4. 男女で読み方を分ける
  5. まとめ

比較しているのは「一般労働者の所定内給与」

まず比較対象の範囲を確認します(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 主な用語の定義」)。

つまりこの記事の数字は「フルタイムで働く正社員と、フルタイムで働く非正規」の月給の比較です。 短時間勤務のパートを含めた比較や、賞与を含む年収の比較とは別の数字になります。

年齢別の格差は20代の約8割から50代の約55%へ開く

男女計・男女別の所定内給与と、正社員・正職員を100とした比率です(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」第6-1表、単位は千円、データ時点2025年6月)。

年齢階級男女計 正社員男女計 正社員以外比率男性 正社員男性 正社員以外比率女性 正社員女性 正社員以外比率
年齢計358.8241.767.4387.4268.169.2304.9218.471.6
20~24歳247.5203.582.2250.0205.182.0244.8202.082.5
25~29歳285.0227.980.0292.4236.680.9275.3220.980.2
30~34歳321.1233.872.8337.0247.973.6293.4222.075.7
35~39歳352.6230.365.3374.2247.766.2307.2217.870.9
40~44歳379.0230.660.8406.3250.961.8322.2220.168.3
45~49歳395.6233.459.0429.7262.861.2327.4220.267.3
50~54歳412.7229.755.7449.2254.356.6334.2219.665.7
55~59歳424.2232.554.8460.7262.056.9339.1217.664.2
60~64歳366.2279.976.4390.5310.979.6310.3227.673.3

表から読める形は次のとおりです。

「非正規だから給料が低い」とは統計だけでは言えない

この表を雇用形態の因果効果として読むことはできません。 確認すべき注意点が3つあります。

  1. 集団の構成が違います。

年齢計の平均年齢は正社員・正職員43.2歳に対し正社員・正職員以外51.2歳、平均勤続年数は13.1年と10.8年です(厚生労働省の同調査、データ時点2025年6月)。 産業、企業規模、職種、役職の分布も調整されていないため、同じ条件の人を比べた差ではありません。

  1. 同じ人の昇給経路ではありません。

年齢階級別の比較は、各階級に属する別々の人を同じ時点で比べた横断集計です。 正社員の給与カーブが年齢とともに上がる形は、世代差や退職・転職による構成変化も含んでいます。

  1. 月給の一部だけを見ています。

所定内給与には賞与も残業代も含まれません。 賞与を含めると格差は変わり得ますが、同調査の年間賞与は原則2024年1~12月支給分で、2025年6月の給与と参照期間が異なります。 賞与を含む年齢別の水準は年齢別の平均給与で確認できます。

60~64歳で比率が上がる点も、再雇用で正社員から嘱託などへ移る人が多いことと整合しますが、この表は個人の移行を追跡していないため、制度の効果とは断定できません。

男女で読み方を分ける

女性の比率(年齢計71.6)は男性(同69.2)より高い、つまり女性の方が雇用形態間の開きが小さく見えます。 しかしこれは、女性の非正規の給与が高いからではなく、比較の基準となる女性の正社員・正職員の給与(304.9千円)が男性(387.4千円)より低いことも影響しています。

雇用形態間の比較と男女間の比較は、分母も集団構成も違うため、分けて読む必要があります。 すべての掲載年齢階級で、男女とも正社員・正職員以外の給与は正社員・正職員より低い値でした(厚生労働省の同第6-1表、データ時点2025年6月)。

なお、この調査の「一般労働者」は短時間労働者を含みません。 働く時間ごと比較したい場合は、一般労働者とパートの労働時間で月間労働時間の違いを確認できます。

まとめ