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一般労働者とパートの労働時間はどれくらい違う?2025年の月間平均を比較

・ 文責: 数字で読む編集部

一般労働者とパートタイム労働者では、月間の労働時間に大きな差があります。 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報」によると、常用労働者5人以上の事業所における1人平均月間総実労働時間は、調査産業計で一般労働者が160.5時間、パートタイム労働者が79.1時間でした。

ただし、この差を「パートは1日の勤務時間が一般労働者の半分」とは読めません。 毎月勤労統計の月間値には、1日の所定労働時間だけでなく、週の所定労働日数や実際の出勤日数の違いも反映されるからです。

一般労働者とパートはどう区分されるか

比較の前に、統計上の就業形態を確認します。 厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報」では、パートタイム労働者を、1日の所定労働時間が一般労働者より短い人、または1日の所定労働時間が同じでも週の所定労働日数が少ない人としています。 一般労働者は、常用労働者のうちパートタイム労働者ではない人です。

この区分は、勤務先で使われる「パート」「アルバイト」などの呼称だけでは決まりません。 契約上の所定労働時間と所定労働日数に基づくため、名称が同じでも統計上の区分が異なる場合があります。

時間の意味も分ける必要があります。 同じ厚生労働省の確報では、総実労働時間を所定内労働時間と所定外労働時間の合計とし、休憩時間や有給休暇の取得分を含めません。 所定外労働時間には、早出、残業、臨時の呼出、休日出勤などが入ります。

2025年の月間労働時間はどれくらい違うか

調査産業計では、一般労働者の総実労働時間が160.5時間、所定外労働時間が13.2時間でした。 パートタイム労働者は総実労働時間が79.1時間、所定外労働時間が2.3時間です。 いずれも厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報」第2表にある、2025年平均の1人当たり月間実数です。

産業別に見ると、一般労働者の製造業は総実労働時間162.3時間、所定外労働時間14.7時間でした。 同じ製造業のパートタイム労働者は109.9時間、5.0時間です(同確報第2表、2025年平均)。

宿泊業、飲食サービス業では、一般労働者が172.6時間、15.6時間だったのに対し、パートタイム労働者は64.4時間、2.3時間でした。 医療、福祉では一般労働者が153.6時間、6.7時間、パートタイム労働者が77.0時間、1.3時間です。 これらも厚生労働省の同確報第2表による2025年平均で、前者が総実労働時間、後者が所定外労働時間です。

したがって、一般労働者とパートタイム労働者の差は、どの産業でも同じ幅ではありません。 産業ごとの営業時間、勤務日数、職種構成などが異なるため、調査産業計の差を個々の職場へそのまま当てはめることはできません。

2021年から2025年に労働時間はどう変わったか

調査産業計の一般労働者では、総実労働時間が2021年の162.1時間から2025年の160.5時間へ1.6時間減りました。 所定外労働時間は両年とも13.2時間です。 出所は厚生労働省の2021年分と2025年分の「毎月勤労統計調査 年分結果確報」第2表で、各年平均の公表実数を単純に差し引いています。

パートタイム労働者では、同じ期間に総実労働時間が78.8時間から79.1時間へ0.3時間増え、所定外労働時間は2.0時間から2.3時間へ0.3時間増えました。 これも厚生労働省の2021年分と2025年分の確報第2表にある、調査産業計の年平均実数です。

途中の動きは一直線ではありません。 一般労働者の総実労働時間は2023年に163.5時間となった後、2024年に162.2時間、2025年に160.5時間へ下がりました。 厚生労働省の各年確報第2表による年平均値で、季節調整は施されていません。

この5年間の差を、働き方改革や人手不足だけの効果とは断定できません。 2021年は新型コロナウイルス感染症の影響を受けた時期を含み、各年の平均値には標本の入替え、産業構成、就業形態の構成、暦の日数も影響するためです(厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和3年分結果確報」および各年確報の利用上の注意)。

産業別の残業時間をどう読むか

産業差が目立つ例が、宿泊業、飲食サービス業です。 一般労働者の総実労働時間は2021年の155.7時間から2023年の174.3時間へ増え、2025年は172.6時間でした。 所定外労働時間も同じ順に9.7時間、15.9時間、15.6時間です(厚生労働省の2021年分、2023年分、2025年分確報第2表、各年平均)。

一方、一般労働者の医療、福祉では、2021年から2025年の総実労働時間が153.6時間から157.5時間、所定外労働時間が6.3時間から7.0時間の範囲でした。 この範囲は厚生労働省の各年確報第2表にある年平均実数の最小値と最大値です。

ここから分かるのは、産業全体の平均に差があることまでです。 「所定外労働時間が短い産業ほど仕事の負担も小さい」とは言えません。 公表表だけでは、職種、交替制、管理監督者の扱い、持ち帰り仕事などを分けられず、個人ごとの分布も分からないからです。

毎月勤労統計で比較するときの注意点

まず、対象範囲をそろえます。 この記事の数値は全国調査の事業所規模5人以上に勤める常用労働者の平均で、常用労働者1人から4人の事業所を対象とする特別調査は含みません(厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025(令和7)年分結果確報」)。 同じ毎月勤労統計の賃金系列を読む場合は、名目賃金と実質賃金の違いでも対象範囲の確認方法を説明しています。

次に、月間平均を個人の勤務記録と混同しないことです。 平均値が同じでも、短時間勤務の人と長時間勤務の人の構成は異なり得るため、この統計だけでは典型的な個人の労働時間を特定できません。

時系列では調査設計の変更も確認します。 厚生労働省「毎月勤労統計調査2025年1月分確報の公表及びサンプル入替えの影響について」によると、30人以上の事業所は毎年1月に全体の3分の1、5人から29人の事業所は毎年1月と7月に全体の3分の1を入れ替えます。 2024年1月には母集団労働者数のベンチマークも更新されました。

したがって、公表実数の単純差と、指数から算出される前年比は同じものではありません。 長期比較では起点と終点、単位、就業形態、産業、事業所規模をそろえ、平均値の変化だけから特定の制度や企業施策の因果効果を決めない読み方が必要です。

まとめ