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非正規雇用は増えている?年齢と働く理由で見る2025年の実態

・ 約6分で読めます ・ 文責: 数字で読む編集部

非正規雇用は、総数だけを見ると増加傾向です。 しかし、その増加を「現役世代で非正規の働き方が一様に広がった」と読むことはできません。

総務省統計局「労働力調査(基本集計)2025年平均結果」によると、非正規の職員・従業員は2,128万人で、前年より2万人増えました。 内訳では15〜64歳が9万人減る一方、65歳以上は13万人増えています(データ時点は2025年平均)。

非正規という呼称だけで働き方を判断せず、自分が変えたいのは勤務時間、正規求人との接続、毎月の給与収入のどれかを先に分ける必要があります。

目次
  1. 非正規雇用は誰を数えているのか
  2. 総数の増加を年齢別に分ける
  3. 働く理由の構成はどう変わったか
  4. 働き方の見直しで確認する三つの条件
  5. 次は2027年2月12日の詳細集計を見る
  6. まとめ

非正規雇用は誰を数えているのか

労働力調査が数える非正規の職員・従業員は、勤め先での呼称が「パート」「アルバイト」「労働者派遣事業所の派遣社員」「契約社員」「嘱託」「その他」である、役員を除く雇用者です。 契約期間が有期か無期かで分けた人数ではありません(総務省統計局「労働力調査(基本集計)2025年平均結果の概要」、データ時点は2025年平均)。

2025年平均では非正規の職員・従業員が2,128万人で、役員を除く雇用者の36.5%を占めました。 男性は678万人、女性は1,450万人です(総務省統計局「労働力調査(基本集計)2025年平均結果の概要」表Ⅰ-6-1、データ時点は2025年平均)。

したがって、この統計から分かるのは、勤め先で非正規に分類される人の規模です。 雇用契約の期間、労働時間、賃金、本人がその働き方を望んでいるかは、総数からは決まりません。

「非正規が増えた」という数字は、同じ条件の仕事が増えたことを意味しません。

総数の増加を年齢別に分ける

総数が増えた機構は、年齢層を分けると見えます。 2015年から2025年に、非正規の職員・従業員は1,987万人から2,128万人へ141万人増えました。 同じ期間に15〜64歳は1,719万人から1,683万人へ36万人減り、65歳以上は268万人から446万人へ178万人増えています(総務省統計局「労働力調査(基本集計)2025年平均結果の概要」表Ⅰ-6-1、データ時点は2015〜2025年)。

つまり、15〜64歳の減少を65歳以上の増加が上回り、全体を押し上げました。 各年齢で非正規と呼ばれる働き方に就く人数と、雇用者の年齢構成が組み合わさって総数が決まるためです。 人数は万人単位に丸められ、総数には年齢不詳なども含まれるため、内訳の差は総数の差と完全には一致しません。

この相殺は単年でも確認できます。 2025年は15〜64歳が前年より9万人減り、65歳以上が13万人増えた結果、総数は2万人増えました(同資料、データ時点は2025年平均)。

現役世代の状況を知りたい場合、非正規の総数ではなく15〜64歳の内訳を見る必要があります。

ただし、年齢別集計は同じ人を追跡したものではありません。 この結果だけから、個人が年齢とともに正規から非正規へ移ったとは言えません。

働く理由の構成はどう変わったか

人数の次に分けるのは、現職の雇用形態に就いた主な理由です。 2025年は「自分の都合のよい時間に働きたいから」が757万人、理由回答者の36.6%で最多でした(総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年平均結果の概要」、データ時点は2025年平均)。

一方、「正規の職員・従業員の仕事がないから」は、2013年の342万人、19.2%から、2025年の173万人、8.4%へ減りました。 人数は169万人減り、割合は10.8ポイント低下しています(厚生労働省「『非正規雇用』の現状と課題」、データ時点は2013〜2025年)。

この変化は、非正規の総数が大きく減らなくても、その内側の理由構成が変わり得ることを示します。 ただし、理由は回答者が一つ選んだ「主な理由」であり、「都合のよい時間」を完全な自発的選択とみなすことはできません。 同じ人の理由が変わったことを追跡した調査でもないため、個人の選好が変化したとは断定できません。

男女差もあります。 「家事・育児・介護等と両立しやすいから」と答えた人は、男性8万人に対して女性218万人でした(総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年平均結果の概要」、データ時点は2025年平均)。

同じ非正規雇用でも、正規求人を探す支援が接点になる人と、勤務時間帯や休暇などの両立条件が接点になる人を分けて考える必要があります。

働き方の見直しで確認する三つの条件

統計から個人の結論を直接出すことはできませんが、確認項目は絞れます。 働き方を見直す人は、勤務時間、正規求人との接続、給与収入を別々に確認します。

まず、理由が「都合のよい時間」や家庭との両立なら、求人条件で勤務時間帯、所定労働時間、勤務地、休暇の条件を確認します。 呼称では実際の拘束時間が分からないためです。 統計上の労働時間区分との違いは、一般労働者とパートの労働時間で確認できます。

次に、理由が「正規の仕事がない」なら、応募できる正規求人と職場内の登用条件を分けて確認します。 正規求人の有無と、現在の職場で雇用形態を変えられるかは別の条件だからです。

最後に、家計への影響は時給だけでなく、実際の就業時間を掛けた毎月の給与収入で確かめます。 厚生労働省資料では2025年6月の正社員・正職員以外の平均時給を、一般労働者1,530円、短時間労働者1,496円としていますが、労働力調査の呼称区分とは定義が一致しません(厚生労働省「『非正規雇用』の現状と課題」、データ時点は2025年6月)。 フルタイムの雇用形態別給与を比べる場合は、正社員と非正規の給料差も同じ定義にそろえて読みます。

この読みは、65歳以上の増加と15〜64歳の減少が続くことを前提にしています。 次回集計で65歳以上が減少へ転じ、15〜64歳が増加しても総数が横ばいなら、年齢構成による相殺の向きは逆転します。 「正規の仕事がない」の人数と割合が複数年上昇し、「都合のよい時間」が減れば、理由構成が移ったという読みも弱まります。

自分の選択を統計の多数派に合わせるのではなく、三つの条件のうち家計と生活を制約しているものを確認することが、次の行動になります。

次は2027年2月12日の詳細集計を見る

次の確認日は、2027年2月12日に公表予定の「労働力調査(詳細集計)2026年平均結果」です(総務省統計局「労働力調査 2026年公表予定日」、2026年9月1日確認)。

公表後は、現職の雇用形態に就いた主な理由について、人数と理由回答者に占める割合を確認します。 見る場所は、理由別の推移と男女別内訳です。 「正規の職員・従業員の仕事がないから」が増えたか、「自分の都合のよい時間に働きたいから」が減ったか、家庭との両立理由の男女差が縮んだかを追います。

年齢構成は「労働力調査(基本集計)2026年平均結果」が公表されたら、非正規の職員・従業員の年齢階級別人数を見ます。 15〜64歳と65歳以上を分け、総数と同じ方向に動いたかを確認すれば、横ばいの内側で相殺が続いたかを判断できます。

次回も総数から結論を出さず、年齢別人数と理由別割合の二段階で確認します。

まとめ