年代別の生活費はいくら?二人以上世帯の消費支出を家計調査で比較
二人以上世帯の生活費は、世帯主が50~59歳の世帯で最も多くなっています。 総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2025年平均結果の概要」によると、同年の月平均消費支出は全体で314,001円、50~59歳では367,643円でした。
ただし、この差を「年齢が上がるほど生活費が増える」と読むのは適切ではありません。 年代によって世帯人員、子の就学状況、持家率などが異なるため、自分の家計と比べるには調査対象と費目の定義までそろえる必要があります。
年代別の月平均生活費はいくらか
比較する対象は、全国の二人以上の世帯が実際に支出した消費支出です。 総務省統計局「家計調査」の2025年平均では、1世帯当たり1か月の金額は次のとおりでした。
- 40歳未満:299,100円
- 40~49歳:348,607円
- 50~59歳:367,643円
- 60~69歳:327,405円
- 70歳以上:264,332円
金額の出所は、総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2025年平均結果の概要」です。 いずれも2025年平均の名目値であり、単身世帯は含みません。
この並びでは、支出は50~59歳で最大になり、その後は減っています。 40歳未満と50~59歳の差は68,543円、50~59歳と70歳以上の差は103,311円です。 いずれも前記の2025年平均額から求めた差額で、物価変動を調整した実質比較ではありません。
また、月平均額は12か月の年計を12で除した値です。 総務省統計局「家計調査」の2025年平均であり、特定の月の支出でも季節調整値でもないため、旅行や進学などで支出が集中した月とそのまま比べないほうが実態を捉えやすくなります。
50歳代の生活費が多い背景
50~59歳の支出が最大でも、年齢だけが支出を増やしたとは判断できません。 この集計は、同じ世帯を年齢の経過に沿って追った結果ではなく、異なる年齢階級の世帯を同じ年に比べた横断比較だからです。
実際、世帯主の年齢階級が変わると世帯人員も変わります。 平均世帯人員は、40歳未満が3.50人、40~49歳が3.73人、50~59歳が3.12人、60~69歳が2.52人、70歳以上が2.34人でした。 出所は総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2025年平均結果の概要」で、基準時点は2025年平均です。
住居の条件も同じではありません。 持家率は40歳未満の65.4%から年齢階級が上がるにつれて高くなり、70歳以上では95.1%でした。 これも同じ家計調査の2025年平均であり、年代間の住居費を比べる前提になります。
したがって、50歳代の金額には、世帯人員、子の就学、所得、耐久財の購入など複数の違いが重なっている可能性があります。 総務省統計局の資料だけでは、それぞれの要因が支出額を何円押し上げたかは確認できません。 年代別平均は、年齢による因果効果ではなく、条件の異なる世帯群の目安として扱うのが妥当です。
生活費のうち負担が大きい費目
全年齢平均では、消費支出314,001円のうち食料が94,895円で最大です。 次いで、その他の消費支出が47,093円、交通と通信が45,730円、教養娯楽が32,125円でした。 金額はいずれも総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2025年平均結果の概要」による二人以上世帯の2025年平均です。
前記の金額を消費支出で割ると、食料は30.2%、その他の消費支出は15.0%、交通と通信は14.6%、教養娯楽は10.2%になります。 これらは同資料の金額から求めた算術上の構成比です。
ただし、食料の30.2%を公式のエンゲル係数とみなすことはできません。 総務省統計局の用途分類による食料費94,895円には他世帯への贈答分が含まれる一方、同資料のエンゲル係数に使う食料費には贈答分が含まれないためです。 同資料が示す2025年平均の公式なエンゲル係数は28.6%で、分母と分子の定義をそろえなければ比較できません。
年代による違いを費目構成から補う資料として、総務省統計局「令和6年全国家計構造調査 家計収支に関する結果 結果の概要」があります。 2024年10月と11月の月平均では、住居の割合が30歳未満で22.1%、教育の割合が50歳代で7.1%、保健医療の割合が70歳代で6.0%でした。
この結果は、若い世帯では住居、子のいる年代では教育、高齢の世帯では保健医療の比重を確認する手掛かりになります。 ただし、全国家計構造調査は単身世帯を含む総世帯を対象にした2024年の2か月平均です。 家計調査の二人以上世帯による2025年平均とは対象と期間が異なるため、両調査の金額差を1年間の増減として扱うことはできません。
自分の家計と比較するときの確認項目
自分の生活費と年代別平均を比べる前に、世帯人数と集計範囲を合わせます。 今回の中心データは二人以上世帯の1世帯当たりの金額なので、単身世帯や1人当たりの支出とは基準が異なります。
次に、住居費の定義を確認します。 家計調査の住居費には実際に支払った家賃などが入りますが、持家に住むことで得ている住居サービスを家賃相当額に置き換えた帰属家賃は含まれません。 持家率が40歳未満の65.4%、70歳以上の95.1%と異なることは、総務省統計局「家計調査」の2025年平均で確認できます。 住居費が低い年代でも、住居にかかる総コストが同じ割合で低いとは限りません。
さらに、平均値には標本調査の誤差があります。 総務省統計局「家計調査の概要」と「家計調査に関するQ&A」によると、現在の設計では二人以上の調査世帯は8,076世帯で、各世帯は6か月の調査後に交替します。 年齢階級を細かく分けた結果や、購入頻度の低い費目ほど誤差が大きくなる可能性があります。
比較の手順は、同じ期間の自分の支出を費目別に集計し、人数、持家か賃貸か、子の就学状況などの違いを添えて平均額を見ることです。 平均を「使ってよい上限」とせず、差が生じた費目と世帯条件を確認すれば、見直す対象を絞れます。
まとめ
二人以上世帯の月平均消費支出は、50~59歳が367,643円で最も多く、全年齢平均は314,001円でした。 出所は総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2025年平均結果の概要」で、2025年平均の名目値です。
ただし、年代差には世帯人員、持家率、子の就学状況などが含まれます。 自分の家計と比べる際は、調査対象、期間、費目の定義をそろえ、平均額そのものより差が出た条件を確認する必要があります。