年代別の借金はいくら?40歳未満1,882万円と住宅ローン残高の読み方
40歳未満の二人以上世帯が持つ負債は、1世帯当たり平均1,882万円です。 ただし、この金額を同年代の「普通の借金」とみなすことはできません。 負債のない世帯も含む平均であり、負債を持つ世帯だけなら平均2,927万円だからです。 いずれも総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年平均結果」の2025年平均です。
自分の住宅ローンが多いかを考えるときは、年代平均との大小より、残高、年間返済額、所得に対する返済比率、金利タイプを分けて確認します。
年代別の負債残高は40歳未満が最も大きい
全国の二人以上世帯の負債現在高は、平均675万円です。 世帯主の年齢別では、40歳未満が1,882万円、40~49歳が1,483万円、50~59歳が743万円、60~69歳が234万円、70歳以上が81万円でした。 出所は総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年平均結果」で、基準時点は2025年平均です。
この負債現在高は、住宅・土地のための負債、住宅・土地以外の負債、月賦と年賦の合計です。 全年齢の内訳はそれぞれ620万円、39万円、16万円で、総額675万円の91.9%を住宅・土地のための負債が占めます。 同じ資料の2025年平均値から計算した比率であり、表示値の丸めを含みます。
したがって、若い世帯の平均負債が大きい理由を、日常の買い物による借入れだけで説明するのは適切ではありません。 40歳未満と40歳代でも住宅・土地のための負債が各年代の負債現在高の93.9%を占めており、年齢差の中心には住宅関連の借入れがあります(総務省統計局の同資料、2025年平均)。 年代別の負債を読む出発点は、借金の総額ではなく、住宅関連の残高がどれだけ含まれるかです。
平均1,882万円は二つの要因からできている
全世帯の平均負債は、おおむね「負債を持つ世帯の割合」と「負債保有世帯の平均残高」の掛け算に分けられます。 40歳未満では負債保有率64.3%に、保有世帯の平均残高2,927万円が組み合わさり、全世帯平均は1,882万円になります。 40~49歳では保有率が67.0%へ上がる一方、保有世帯の平均残高は2,212万円へ下がるため、全世帯平均は1,483万円です。 いずれも総務省統計局の同資料による2025年平均で、掛け算には表示値の丸めによる差が生じます。
この分解から、40歳未満から40歳代への変化は「借りる世帯が減ったから」ではないと分かります。 借りる世帯の割合は2.7ポイント高くなっていますが、借りている世帯の残高水準が715万円低いため、全世帯平均も低くなります(総務省統計局の同資料、2025年平均)。 負債の有無と、負債を持つ家計の残高は、逆向きに動いています。
住宅取得時の大きな借入れは、毎月の元本返済によって徐々に減る長期の負債残高になります。 国土交通省住宅局「令和6年度住宅市場動向調査報告書」では、2023年4月から2024年3月に注文住宅を取得した調査世帯の住宅建築資金借入金について、平均返済期間は33.9年、35年以上は72.6%でした。 この調査は家計調査と対象世帯が異なるため金額を直接結び付けられませんが、住宅取得時の借入れが後の年代にも残る仕組みとは整合します。
若い年代の平均負債が大きいのは、負債を持つ人が一様に多額を借りているからではなく、住宅取得後の世帯に大きな残高が集中するためです。
自分の住宅ローンとは四つに分けて比べる
年代平均と自分の残高を比べる前に、対象をそろえる必要があります。 家計調査の中心値は全国の二人以上世帯の世帯単位であり、単身世帯や世帯主本人だけの債務を表す数字ではありません。 負債を持たない世帯も含まれるので、借入れのある家計が全世帯平均を上回るだけでは、返済負担が重いとは判断できません。
家計で確認する場所は次の四つです。
- 返済予定表にある現在の住宅ローン残高
- 元本と利息を合わせた年間返済額
- 年間返済額が所得に占める割合
- 固定か変動かという金利タイプ
残高は将来返す元本の大きさを示しますが、毎月の家計を直接圧迫するのは元本と利息の返済です。 そのため、残高だけを年代平均と比べても、毎月の余裕は分かりません。 資産側も合わせて確認する場合は、年代別の貯蓄額と平均値の読み方が参考になります。
ここからの読みには、年齢差の中心が住宅取得時の借入れと、その後の返済残高にあるという前提があります。 この前提のもとでは、住宅ローンを持つ家計の判断は、同年代平均との差より、返済予定表と所得を突き合わせる方向へ変わります。 平均は比較の入口であり、借入れの適否を決める基準ではありません。
この読みが外れる目印は、次回の同じ年齢別表で住宅・土地のための負債の構成比が大きく下がり、住宅以外の負債が年齢差の中心になることです。 負債保有世帯の平均残高が50歳代以降も下がらない場合も、「返済に伴って残高が減る」という説明は弱まります。 今回の資料だけでは、返済困難世帯数、延滞率、個別世帯に適した借入額は確認できません。
統計の対象と基準時点をそろえる
家計調査の年齢別比較は、同じ世帯を40歳未満から70歳以上まで追跡した結果ではありません。 2025年時点の異なる世帯を並べた横断比較なので、所得、持家率、住宅価格、借入時期、世帯人員、地域の違いが重なります(総務省統計局の同資料、2025年平均)。 年齢階級間の差額を、その年代が返済した金額とみなすことはできません。
年平均も年末の残高ではありません。 総務省統計局「家計調査の概要」と「家計調査に関するQ&A」によると、貯蓄等調査票は調査開始後3か月目の1日現在を記入し、その値が6か月の調査期間中は変化しないとみなされます。 年平均は各世帯の基準日残高を用いた月平均を12か月平均したもので、季節調整値でも実質値でもありません。
調査は層化3段抽出による標本調査で、二人以上の調査世帯は8,076世帯です。 総務省統計局「家計調査に関するQ&A」で確認できる2024年平均の負債現在高の標準誤差率は2.0%ですが、2025年の年齢階級別標準誤差率は入力資料では未確認です。 自分との比較には、二人以上世帯か、全世帯平均か負債保有世帯平均か、いつの残高かという三条件をそろえます。
次回は表8-5と表8-24を確認する
次回の年平均結果の公表日は、入力資料では確認できません。 公表後は、総務省統計局の「家計調査(貯蓄・負債編)調査結果」から年平均結果を開き、e-Statの詳細結果表8-5「世帯主の年齢階級別」と表8-24「負債保有世帯・世帯主の年齢階級別」を確認します。
見る場所は、年齢別の負債現在高、住宅・土地のための負債、負債保有率、負債保有世帯の平均残高です。 住宅関連の構成比が保たれているか、保有率と保有世帯残高のどちらが全世帯平均を動かしたかを分ければ、今回の読みが続くかを検証できます。 確報訂正や分類、集計方法の変更が示された場合は、2025年値との単純比較を避けて再計算します。
次の一手は、公表日を推測することではなく、総務省統計局の年平均結果が更新されたときに表8-5と表8-24を同時に見ることです。
まとめ
- 2025年平均の負債現在高は、二人以上世帯全体で675万円、40歳未満で1,882万円です(総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年平均結果」)。
- 40歳未満では負債保有率64.3%、負債保有世帯の平均残高2,927万円で、全世帯平均は二要因の組み合わせとして読みます(総務省統計局の同資料、2025年平均)。
- 年代差の中心には住宅関連の負債があり、残高だけでは毎月の返済負担を判断できません。
- 自分の家計では、返済予定表の残高、年間返済額、所得に対する返済比率、金利タイプを確認します。
- 次回公表日は未確認です。総務省統計局の年平均結果が更新されたときに、e-Statの表8-5と表8-24を確認します。